【クラブ投手物語】森井文哉投手(ハナマウイ所属)スペシャルトーク!【後編】

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いつでもこんにちは、みず

3回に渡って、現在社会人クラブ野球チームのハナマウイに所属している、森井文哉投手に今までの野球半生を語って頂いております、スペシャルトーク。今回が後編の最終回です。

前回までは信濃入団1年目、シーズン始まるギリギリに突如イップスになってしまった事までを振り返って頂きました。

前回の中編を見てない方はこちらから(・∀・)

イップスにはなったものの、同じ信濃のエース格である鈴木俊輔投手などチームメイトが相談に乗ってくれ、彼らのおかげもあり1年目を乗り越えた森井投手。

オフもバイトとウエトレに励み、翌2年目の自主トレからはいい状態で入れたと言います。

しかし、そんな彼を襲ったのは2度目のイップスというトラップでした。

この年、前年オリックスを戦力外になった荒西祐大投手が、信濃に兼任投手コーチとして招聘されます。ここで森井くんは荒西さんと出会い、短いながらもチームメイトとして過ごすことになります。

信濃で本領は発揮出来なかったものの、荒西さんから受けた影響は、おそらく本人にはかけがえのない財産。

そんなお話から、憧れの投手、そして現在ハナマウイに所属して感じたこと、今後の目標を語ってもらいました!

ぜひ最後まで読んでくださいです(・∀・)!

信濃2年目、荒西さんとの出会い。数々のアドバイスに恩返ししたい。

(2022年信濃GS。最前列左から4番目が荒西投手兼任コーチ。最後列右から5番目が森井文哉投手)

みず(以下み);森井くんにとって荒西さんは凄く影響与えてくれた方やと思うけど、プロに行けるよって自信をくれた事はじめ、教えて貰ったことで何でもいいけど;(技術面以外でも)、一番心に残ってることがあったら教えてくださいm(_ _)m

森井文哉投手(以下森井):プロの基準といいますか…これくらいにならないとプロにいけないんだと思いましたし、(荒西投手が)これでクビになってしまうのかという厳しさも痛感しました。
投げるのが不安になってしまうと相談した時に、「そう言う考えになってる時点でダメ。その考えを捨てないと良くはならないぞ」って言われた時に確かにと思いました。

あと辞める時に「俺は森井のイップス直して試合で投げさせるのが夢だったんだけどな」って言われた時はすごい申し訳なさでいっぱいでした。なんとか荒西さんに恩返しをしたい気持ちがあります。

み:プロたるものは?というような厳しさを教えてくれた感じですね🤔……たしかに、『最低クリア出来ないとダメな基準』ていうのを荒西さんは身を持って分かってますし。そこは凄いなって思います。だから(森井投手が)化けたらNPBへの可能性もあるって荒西さんからのアドバイスは、その裏付けなのかも知れませんね。

(信濃引退直前にマウンドに上がった森井投手)

憧れの投手はずっと今永昇太投手に松井裕樹投手。夢叶って対戦出来るとしたら?

  み:荒西さんは直接色々教えてくれた師匠的存在だと思いますが、森井くんの憧れは今永投手と松井裕樹投手ですよね。この両投手のどんなところに憧れたり、目標としたりしている理由というか、それはどんなところですか(・ω・)?

森井:今永投手はテレビでですが、ピッチングを見た時にあのストレートには惚れ惚れしました。「俺もいつか誰かを魅了できるようなストレートを投げたい」と思いました。投げる哲学者と言われているので、どのような考えで投げたりしてるのか話してみたいって興味が湧いたのも好きな理由の一つです(編注:最近森井投手は今永投手著の本を熟読)。

松井裕樹投手は高校時代から好きで。フォームも真似しようとしてたくらいでした(笑)…気迫を全面に出すピッチングや、勝負所でのコントロールと真っ直ぐの速さ、あとは抑えをやってるあのメンタルの強さ。どんな考えでいつもマウンドに上がってるいるのか話してみたいです。

み:今永投手のメンタルってすごいよね。甲子園でチャンス襲来をマウンドで口ずさんでしまうくらいだからねw 松井裕樹イコールスライダーみたいなイメージありますけど、森井くん自身スライダーある程度武器にしたいところもあって、というのはありますか?…そういえば投手だから投手に憧れは勿論ですけど、森井くんが好きなNPB打者って誰とかあります?…例えば夢かなって、対戦してみたいな!と思う打者とか。

森井:(松井投手のスライダー)それもあります!…対戦したい打者難しいですねー!同い年の牧秀吾選手とかですかね!

み:同期生の活躍はホントに励みになるよね。

社会人クラブ・ハナマウイに入団して感じたこと。「平日の過ごし方の意識で変わってくると思います」

み:さて。ハナマウイで監督さんに買って貰って入団決まったの実際昨年のいつ頃でしたっけ?←なんか四球めちゃだしてしまった話は聞いたけど。

森井:11月に来ました。5者連続四球だして落ちたと思いましたが本西さん(ハナマウイ監督)が素材を買ってくれ入団することができました。

み:その中でクラブ選手として初めてやってみて、今季は怪我もあって、あまり貢献出来なかった悔しさは当然だけど、クラブチームが、学生野球や独立と違う特徴をあげるとしたら、どんな事でしたか?

森井:仕事しながら練習もするというのは最初はきつかったですね。クラブチームは個人の平日の過ごし方の意識で変わると思います。ハナマウイは週3で練習していますが、実際みんなが集まれるのは日曜日だけです。全体で合わせるのが週に1日にしかないのはきついですね。学生と独立の違いは1番そこが大きかったです。個人的には仕事しながら野球が初めてだったので平日の過ごし方などが難しかったです。

み:独立で働きながらやるところもあるけど、BCはオフだけだもんね。また(学生で山梨に行ってるけど)長野出て首都圏で暮らしてますが、そこは慣れてきてます(・ω・)?…それから、森井くんの場合グラブとかの用具はどういう形で作ってますか?独立だと用具代出ないし、クラブも大概そういうところが殆どですが(企業は支給されるパターンが多い)

森井:車の多さにはびっくりしていますね。どこも混むし(苦笑)。道具はスパイクは自腹で購入で支給はほとんどないです。

み:クラブチームはそういう感じなっちゃうよね(´・ω・`)JABAは建前上選手を『売る』←みたいなとこ出来ないし。あくまでノンプロだから。
でもレベルとか考えたら企業とクラブチームって明らかに違いすぎて、JABAの中でも一緒くたに出来なくない(´・ω・`)?←ていう腑に落ちないところはわたしも感じます(編注;2023日本選手権では予選で企業チームを破り、クラブチームもいくつか出場している。特に信越クラブの宮野結希投手は、昨年まで信濃に4年間在籍。森井投手の元チームメートである。昨年の独立GCSでも登板をしているので、みずは実際見たことはある)

沖縄ウインターリーグに挑戦。「人事を尽くして天命を待つ。荒西さんに言われた言葉です。そして森井文哉という人間を見て欲しい」

み:さて現在は、出場を決めている沖縄ウインターリーグに向けて調整中だと思います。外国人の選手も含めて色んな選手が集まるなかで、
一番アピールしたいところは何ですか?

森井:僕のアピールしたいところは真っ直ぐの強さとスライダーです。あとはマウンド度胸!…配信されるので、イップスになってもこれだけ投げれるんだぞ!っていうところを他の人にもみてもらって勇気を与えられたらなと思います!

み;たしか2つに分かれてるんだよね、沖縄ウインターリーグって。スライダーがうまく決まるといいよね。森井くんは球速はそれ程でもないけど、ストレートの強さをアピールしたい意図は何処にありますか?

森井:トライアウト組の方ですね。球速求める人が多い中で、速いに越したことはないですが、強さも僕は武器になると思ってるのでそこをアピールできたらなと。

み:今はスピードボールが流行ってるけど、それだけじゃないって知って欲しいとこあるよね。

森井:そうなんですよ!

み:『森井くんしか投げれないスライダーやストレート』をアピールしたいて感じかな。

森井:そうですね!

み:それから、フォーム改造取り組んでたけどそれは順調に馴染んできてる?

森井:めちゃくちゃ馴染んできてます!!

み:決して背丈がめちゃある訳でも球速があるわけでもないけれど、他の選手とは違う気持ちや球質をアピールしたいね。

森井:そうですね!小さくても関係ないです!ってところをアピールしたいです!

み:以前セットになると、ちょっと崩れることもあったなって思ったんですが、ランナーいる時に投げ急がず、腕を早く振ろうと思わない方がいいのかなって感じたんですが、そこはどうです?

森井:それは意識してますね!体も前にいかないように自然と腕を触れる感じで投げてます!

み:さて、やっと最後の方になりましたが。ハナマウイに戻るにしろ、トライアウトでとられるにしろ、来季は森井くんにとってラストチャンスだというのは応援してるワタシ含めて、多分周囲は思ってると思うんですけど…んー……そうだな、来年の決意を、好きな言葉である「耐雪梅花麗」の他に、何か表せるものってあります(・ω・)?

森井人事尽くして天命を待つですかね!やることやってあとは神様が決めることです!これは大好きな荒西さんに言われた言葉です!

み:オリックスでも割と社会人解禁数年後にとる例はほぼ毎年あるし(荒西投手始め、現在活躍中の阿部投手など)。…今年は独立からのプロが豊作で、(わたしとしてはかなり意外だった)社会人やなんかだんだん減っちゃってますが、わたしはまだ伸び代はこれからだとおもってるのね。クラブチームなんか特にもっと整備したら上の段階にいけるとおもいます。

森井:それはあります!クラブチームからでもNPBに行けることを証明したいです!!

み:最後に、ジャパンウィンターリーグに向けて諦めの悪い森井文哉←の1番見て欲しいポイントを教えて下さい

森井:野球に対する姿勢です!!森井文哉という野球人生そのものをみて欲しいです!

み:生き様ってやつですね(・∀・)!今回は長きにわたって、ありがとうございました。ウィンターリーグの準備から頑張ってください(・∀・)!

森井:こちらこそありがとうございます!頑張ります!

森井文哉投手スペシャルトーク後編・あとがき

みずが森井投手の存在を知ったのは、昨年のはじめに荒西さんのストーリーをみたのが初めてだった。そして2度目のイップスになり、信濃GSでの一度の登板のみで、彼はチームを去ることになる。

このころ、みずは元某推しとの色々で疲れていて「やきう嫌いになるかも」って思ってたところ。そんな時、なんとなく森井くんにDMした事がきっかけで、ワタシは救われたことがあり、それから森井投手を応援するようになった。

前回までの2記事を通して、少しでも森井投手やクラブ野球の事が浸透していけばいいと思っていたけど、みずの知人であり森井投手と同じ長野出身の楽天ライター、しばちことしばかわ氏はXでこうポストしている。

https://twitter.com/eagleshibakawa/status/1722013842816041461?s=20

 

 

彼はずっと自分のピッチングが励みになるのであれば、そのヒトに勇気を少しでも与えたいと、心底他人を思いやる心優しき、そして礼儀正しい人間で、お世話になった人に恩返ししたいと、自分のために投げてはいるが、「周囲のヒトに元気になってほしい」という思いで腕を振る投手なのだ。

特にみずがガンになってからは、互いの人生を応援しているような感じである。

森井文哉。彼のこの先の野球人生が、もっと輝かしいものになってほしい。特に突出してるものがないとしても、彼の野球に対する姿勢への真剣さが、たくさんの方に伝わってくれたら、この上ない幸いに思います。

彼を含めて独立やクラブチームの中にも夢や憧れをかけて、野球を続けている選手は何人もいます。森井くんは決して突出した成績を収めているわけでもないけれど、なんらかの素質がなければここまで来てるわけがない。だから決してあざ笑う事無く、純粋に上に行きたいと、ひたすらチャレンジするその様を、私はこれからもずっと応援し、見守っていようと思うのです。

(終わり)

森井文哉(もりい・ふみや)1998年11月3日生まれ、長野県山形村出身、5人男子兄弟の3番目。小学校前から野球を始め、中学時代は針盛シニアに所属し、松本工業入学後3年次には県内ベスト16。山梨学院大学では4年次に投手キャプテンを務め、コロナ元年の中秋季リーグで好成績を残し、卒業後BC独立リーグの信濃グランセローズに入団。2年間で2度のイップスを経験するなどの苦しさを乗り越え、現在は社会人クラブのハナマウイに所属。背番号は56。174センチ85キロ、左投げ左打ち。

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